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砂とサーフポイント

SFJ会員 大串剛史(ぐっしー)



3月頃のとある平日、南房総の某所(頭オーバで最高!仕事休んで正解!)

鴨川の浜辺を歩いて、、、

波乗りをやって、キレイな波を求めて行くと、ポイントブレイクのリーフ形状だけでなく、だんだん砂に興味を持つ人も多いのではないでしょうか?

古い鴨川の堤防(赤堤)Pの映像などを見せていただくと、赤堤Pは、今から想像できないほとキレイな波があったことがわかります。SFJ代表の大久保友美さんが、おっしゃっていたのですが、昔の赤堤Pの波を知るレジェンドサーファーの会というものがあるそうで、メンバーは、川井さん達の世代だそうです。今でも海に入られるのは川井さんだけですが、知る人ぞ知る人ばかりで、今でも鴨川にお住まいの方も多く、鴨川というサーフポイントの秩序を守っていた!とおっしゃっていました。

そんな人達が沢山いる鴨川で、私のようなサーファーが鴨川を語るなんて!まだまだ甘いよ!思うかもしれませんが、ご勘弁を!、、、(^^;;;

先日、鴨川のシーサイドP、河口P、グランド下P、シーワールド前P、亀田病院前P、マルキPと、海岸の浜を、国土交通省の宇多さん達の研究グループに、ご一緒させていただき、10個所に区切って、 SFJメンバーと一緒に、歩いて測量し、浜の砂をサンプリングしながら、鴨川の侵食、堆積状況を調査しました。


河口Pの測量&サンプリング風景 phot by gushi

私達が参加した目的というのは、鴨川のシーサイドPに投入されているテトラポットを取ってもらうことが可能か?ということを基礎調査するためです。過去にシーサイドPへ投入されたテトラポットがもとで、SFJが創設されたということは、皆さんご存知ですよね?

浜をじっくり歩いて砂をみると、イロイロ海の状況がわかります。サーファーの皆さんは、なかなかじっくり浜を歩くことはないんじゃないでしょうか?一度あるいてみてください!(^^)

例えば、グランド下Pは、侵食が激しく急に深くなります。侵食の激しい場所は、砂粒の大きさがも、大きいのです。侵食された、砂は、全てシーサイド前付近のテトラの前に持って行かれ舌状に砂が堆積しています。

一方河口ポイント右側は、一番左側のテトラの前に細かい砂が持っていかれて、比較的浅く地形が決まっています。これは、テトラによって砂が引き寄せられて、海側に向かっているからです。

ちなみに、沖に1M四方砂が伸びると、計算上ダンプカー1杯分の砂が、そこに存在するそうです。

歩きながら鴨川漁港側を見て気がついたのですが、鴨川漁港が拡張されていて、テトラが伸びていました。これでは、右側からの波が来なくなります。

またシーサイド前はテトラが入っているので、砂はシーサイド側から左側のグランド下のほうに戻らなくなります。

宇多さんは『シーサイド前のテトラを取らない限り、グランド下の侵食はなくならないのではないか?』とおっしゃってました。

でも、『漁港のテトラが延長されたので、シーサイドの前のテトラを取っても、グランド下の侵食はなくならないかもしれない!』

ともおっしゃっていました。

砂は長期間かけて浜を移動し、砂が行ったり来たり(冬は北うねりと北風で南側に砂が移動し、夏は南うねりと南風で北側移動します)しています。人工構造物が入るとその移動が邪魔されて別の場所が侵食します。 人工構造物が、かならず浜や磯に影響することが言葉だけじゃなくて、実際に歩いてじっくりと浜の状態をみて、本当によくわかりました。

漁港や侵食を防ぐための海岸は、その場所だけを考えて作るのではなくて、年間を通して、どのような風が吹くのか?どちらから波がくるのか?ということをちゃんと計算してやってほしいところですね。

ちなみに、サンドバーが決まってキレイな波の立つポイントは、傾斜が緩やかで、砂がとても細かいようです。

同じ砂でも質が、ゼンゼン違うのですね。

めちゃ難しいですが、楽しい海岸研究でした。

こういうことを勉強して、海に入ると、また違った意味で海を見るようになりますね。

皆さんも目の前にある波や、波情報だけをたよりにして海に入るのではなく、左右の岬や構造物の状態を確認し、天気図と潮見表を見て、実際に足を運んで、うねりの向きを参考にして海に入ってみましょう!そうすると、より良い波に当たるかもしれません。(^^)

それでは、砂といえばとても広い砂浜の九十九里海岸の歴史と伝説について、もう少しお話をします。


風船爆弾基地

戦争という暗い過去があったわけですが、福島県いわき市の勿来(なこそ)から九十九里浜にかけての海岸は太平洋戦争末期に風船爆弾発射基地が設けられ、アメリカ本土を攻撃したそうです。基地は九十九里浜の一宮海岸、茨城の大津、福島県の勿来におかれていたそうです。

この風船は和紙を、こんにゃく糊で張り合せてつくっていたそうです。こんにゃく糊をぬった和紙は水素を透過しない性質があるので、水素気球が作ることができたのです。

この気球に爆弾を積んで空高くあげると、日本上空一万メートルに存在する時速300キロのジェット気流にのり、太平洋を越えてアメリカ本土へ到達する。太平洋を横断する間に、水素が少しずつもれて浮力が減少するので、、それに見合う重さだけ砂予め積んでおき、砂を投下して高度を調節する。

砂は低温,低圧下でも,特性が変化したいので零下55度、175ヘクトパスカルという異常な条件下でも、正確な計量が可能。砂時計の原理の巧みに応用したのです。

放った風船のうち、一割程度がアメリカ本土に到達し、アメリカ側で確認された数は285個あったそうです。


アメリカ・スミソニアン航空宇宙博物館所有の風船爆弾,つり下げ部分
外房波浪夫さんのページより画像を戴きました。

外房波浪夫さんのサイト

日本人の奇抜で神秘的なアイディアは、当時のアメリカ人をとても驚かし、積んでいた砂は、アメリカの地質学者によって鑑定され、発射基地が日本にあるということが、つきとめられ、B29戦略爆撃機による報復爆撃を受けたそうです。ちなみに、積んでいった砂は勿来(こなそ)海岸の砂であったそうです。


九十九里鳴き砂伝説

鳴き砂について、いろいろ調べていると、同志社大学の名誉教授の三輪茂雄さんと、仁摩町サンドミュージアムの一年計砂時計を作った志波靖麿さんと、知り合うことができました。(^^)

日本には各地に鳴き砂にかかわる伝説というものが沢山あります。

琴引き浜、琴が浜などは、平家のお姫様が壇ノ浦の合戦のときに、逃げて小船に乗ってたどり着いた場所で、琴を弾いて、そのお姫さまが、死んだ後に、浜で琴のような音がなりはじめたという琴姫伝説や、能登半島のお小夜の悲恋伝説の「泣(ごめ)き浜」などもあります。

昔、牡鹿半島には、鳴き砂の浜辺として有名な鳴浜(ならはま)という場所がありました。今は、皆さんが生活するために必要となる電力を供給するために、女川原発が建設され下敷きになってしまいっました。まぁ、砂が鳴いても意味が無いって思っている人が多いのでしょうね、、、

鳴浜という知名をヒントにして、九十九里浜は鳴浜と呼ぶ浜があることで、鳴き砂研究の草分け的な存在の、新帯国太郎という人が注目したことが過去にあります。しかし、成東町歴史民俗博物館で確認したところ、歌人伊藤左千夫の小説『分家』に、海鳴りの記述があるためにその地名がついたということだそうで鳴き砂とは無関係のようでした。ちなみに伊藤左千夫といえば、成東出身で『野菊の墓』が有名ですね。

また鳴という漢字を利用した地名には、鳴山があります。大正6年に出版された、日本伝説叢書-上総編-には、長生郡東浪見村和泉区。東浪見村東浪見の海辺に土俗鳴山、、、という下りがあります。鳴山といえば、九十九里方面で活躍する太東サーファーなら誰もが知っている?マージャン博物館近くの信号機の名前ですよね。

千葉県の鳴き砂といえば、今は緩傾斜護岸と人工リーフによって、悲しい状態のサーフポイントになった『君ヶ浜』ですが、犬吠崎の海べりの遊歩遺を歩くと、砂岩と頁岩が層状に准積した砂岩頁岩亙層がみられます。千葉県指定の天然記念物のリヅブル・マーク (漣痕:波の化石)や、炭化した化石でもよく知られています。波によって砂岩から洗い出された石英粒が、露出した頁岩の上に准積したのが「君が浜」なのです。『こういう地質の場所には、鳴き砂が必ず存在していたはず』(三輪さん/談)だそうです。

今は見るも無残な姿なので、砂をいくらキレイにしても、その面影はないです。ちゃんと調査されていれば、このようなことにはならなかったかもしれませんね。

ハワイのカウアイ島にはバーキング・サンド(犬が吠える砂)というものが存在しています。犬吠崎という地名は、もしかしたら、カウアイ島のバーキング・サンドと、実は同じ由来かもしれませんね!(^^)


カウアイ島で販売されているバーキング・サンドのTシャツ!(^^)
三輪さんのページより画像を戴きました

三輪さんのサイト

そのような場所を開発で無くしてしまう日本人ってホント悲しい限りです。

ちなみに、九十九里浜は、地名辞典によると、九十九里浜については二つの説が有名です。

「九十九とは白の意なり。なんとなれば百ひく一は白なるが故なり」。

もうひとつは、

「源頼朝公が旧度法で六町を一里に数え、一里ごとに矢をたてて測量したところ、九十九本目に矢がつきた」。

ということです。

しかし、

「宮城県で鳴き砂のある九九鳴浜や十八鳴浜はク、ク、と砂が音を発するのでその名がついたとすれば、九十九里浜は、九里九里(クリ!クリ!)、とか、九と九(キュウ!とキュウ!) などから、その名がついたのではなかろうか?」

という説があってもいいのじゃないかな?って三輪さんがおっしゃっていました。(^^)

ってなると、カウアイ島のバーキングサンドが犬が吠えている砂って考えると、銚子にある犬吠埼はもしや、鳴き砂で強烈に大きな音の鳴る場所だったのか?ってホント夢が広がります。

なお、おもしろいことに、日本の鳴き砂は、一直線上に発見され、日本列島謎一直線として紹介されていたりしています。なんか神秘的ですね。


三輪さんのページより画像をいただきました

鳴き砂について、もっと詳しく知りたい人は、

http://www.bigai.ne.jp/%7Emiwa/sand/j_index.html

http://www.f5.dion.ne.jp/~yshiwa/

をご覧ください。

海外のサーフポイントも楽しいですけど、日本のサーフポイントにも探せばいろんな楽しいことがありますね。砂について歴史と伝説を紐解いていくと結構楽しいでしょ(^^)

そういえば、サーファーあこがれの波?『葛飾北斎の富嶽三六景の中で最も有名な神奈川沖之浪裏に影響を与えた!といわれている『波の伊八』という人が、鴨川には昔いたのですよ。』とSFJ代表の大久保友美さんに教わりました。

次は『波の伊八』について調べてみましょうかね?(^^)

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このような話も、サーファー仲間どうしで話すメーリングリスト(倶楽部ロコポイントML)もあるので、興味があったら入ってくださいね!

ではでは

 


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